毎年多くの卒業生が難関大学に進学していく西大和学園。文部科学省からSuper Science High School、Super Global High Schoolに指定されている同校は、社会の課題に対する関心と深い教養に加え、コミュニケーション能力・問題解決能力などの国際的素養を身につけたグローバルリーダーの育成に力を注いでいます。
西大和学園はICTの活用にも力を入れており、2016年7月にはiPad用辞書アプリDONGRI(ドングリ)を採用しました。国語科主任の小藤亮先生に、採用の経緯と普段どのようにDONGRIを活用しているかをうかがいました。
iPad用に辞書アプリが必要と考えた経緯を教えて下さい。
本校の生徒は一人一台iPadを持っているので、電子辞書とiPadの両方を学校に持ってくるのではなく、学校ではiPadで全てをまかなえる辞書アプリがほしいと思っていました。また、電子辞書であれ紙の辞書であれ、年々生徒が辞書をあまり引かなくなってきたと実感していたため、分からないことや興味を持った言葉を気軽に調べられる新しい方法を探していました。
DONGRIを選んだ理由を教えてください。
調べたい言葉を入力して辞書を選択するスタイルが気に入りました。1つのアプリに複数の辞書が含まれているため、従来のように調べたい辞書のアプリを1つ1つ立ち上げる手間が省略され、様々な辞書を即座に選べるところが非常に便利で気に入っています。
DONGRIは普段の授業でどのように活用していますか?
本校では教員全員にiPadが支給されています。全教室にWi-Fiが完備され、Apple TV搭載のプロジェクターも設置してあります。私は特に古典の授業でDONGRIを活用しています。現代語訳の発問に生徒が答えられなかった時に、DONGRIをスクリーンに映して、文脈的にどの意味がふさわしいかを考えさせます。古文では古語辞典、漢文では漢和辞典というように使い分けています。
古文での活用方法を具体的な語句を挙げて説明してください。
古文の「ゆゆし」という言葉は、「おそれおおい」が転じて、「すばらしい、立派だ」というプラスの意味と、「悪い、恐ろしい、不吉だ、忌まわしい」などのマイナスの意味を持ち合わせています。DONGRIの古語辞典でこれを確認し、文脈的にどの意味がふさわしいかを生徒に考えさせます。その後の読解を大きく左右するため、プラスとマイナスの意味を持つ語句の解釈は重要です。古文であれ漢文であれ、辞書を使って必ず確認させるようにしています。
授業では他にどんな効果が得られましたか?
以前は生徒が各自ばらばらの辞書で調べていたため、辞書によって若干意味が異なっていたり、必要な意味が載っていなかったりするケースがありました。DONGRIを活用するようになってからは、辞書の画面をスクリーンに映し出すことにより、生徒全員が共通の意味の中から文脈にふさわしい意味を選ぶことが可能になりました。調べる時間が短縮し、生徒が重要なポイントに集中できるので、授業の質の向上にもつながっています。
DONGRIに対する生徒の反応はいかがでしょうか?
電子辞書よりも辞書間の移動がスムーズなので、DONGRIの方が便利だという声が多いです。
今後、生徒に期待するDONGRIの活用方法を教えてください。
気負わず積極的に言葉の意味を調べてほしいです。受験のためというよりは、知的好奇心を満たすために活用することを期待しています。
今後辞書アプリにはどんなことを期待しますか?
一つのライセンスで、同じ辞書が複数のデバイスで使用できるようになると嬉しいです。また、辞書の中からWebにリンクが張られているウィキペディアのような機能があると良いです。例えば、「虞美人草」と引くと、画像が表示されてどんな花なのかが分かるという仕組みです。