【辞書コラム⑬】辞書の使い方

高校生活スタートアップ編!いつでも辞書が引けるDONGRIで「辞書デビュー」のすすめ

#初級

このコラムを読んでいる皆さんの中には、今年4月に高校に入学し、初めてDONGRIを使うという人も多いと思います。皆さんの中には、「辞書」というと、勉強をするときに使う(つまらない)もの、というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。私が大学に通っていた(平成になったばかりの)頃は、辞書といえば分厚くて重い紙の辞書しかありませんでしたので、自宅や教室以外で気軽に辞書を引ける環境ではありませんでしたが、皆さんはいつも持ち歩いているタブレットやスマホを使い、いつでも、どこでも辞書を引くことができます。

今回は、「高校生活スタートアップ編」として、授業や自宅学習以外の日常生活の中でDONGRIを活用する方法を考えてみましょう。

辞書は皆さんの頭脳の「増設メモリー」

大学で英語の授業をしていると、膝の上に辞書を置いてコソコソと引いている学生がかなりいます。語学の授業で辞書を引くのはあたりまえのことなので、堂々と引きなさいとよく言いますが、皆さんの中には、授業中に辞書を引くことは悪いことだと思っている人がいるかもしれません。小テストや、先生の指示で辞書を引かずに行う活動をするときは別ですが、辞書を使うことを禁止されていない場面では、自由に辞書を引く習慣をつけるようにしましょう。

辞書は、皆さんの頭脳にメモリーを追加したようなもの
ですから、英語の得意不得意に関係なく、授業中や自宅学習以外でも積極的に辞書を引くことで、無意識のうちに英語力をつけることができます。

通学の際の「隙間時間」に辞書を引こう

高校に入ってから、電車やバスなどで通学するようになった人も多いのではないでしょうか。学校へ着くまでのわずかな時間ですから、何となくスマホを触ったり、居眠りしたりという自由時間として過ごしている人も多いと思いますが、まわりを見回してみると、学校の勉強では得られない情報を手にすることができます。

最近では、広告や掲示物も日本語と英語の両方で書かれているものが増えましたので、日常生活の中で生きた英語にふれることができます。

「席を立つ」=stand up?

先日、大学へ通勤するときに乗ったバスに、次のような掲示がありました。

「席を立つ」を英語で言う場合、”stand up”を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。昔は、英語の授業の始めに”Stand up!”(起立!)という号令をかけることもよくありました。なぜ、stand up from your seatと言わないで、rise from your seatと言うのでしょうか?

辞書でriseを引いてみましょう。『ジーニアス英和辞典』では次のように出ています。



ここで注目したいのは「正式」というラベルです。これは、改まった(フォーマルな)語であるという意味で、スーツにネクタイを締めるような場面でふさわしい語と言えます。同級生にかける号令と違い、バス会社が乗客に対して安全面で注意をするポスターなので、より丁寧で改まった表現が使われています。

このように、最近では至る所に英語で書かれた看板や掲示物がありますが、ほとんどの日本人は気にとめることなく通り過ぎてしまいます。皆さんはDONGRIを使っているのですから、見慣れない表現はその場で辞書を引けば、教科書には出ていない生きた英語をたくさん学ぶことができます。

授業以外で引いた単語をまとめておこう

DONGRIは引いた単語を登録し、いつでも呼び出すことができるしおり機能があります。通学途中に引いた単語はしばらくたったら忘れてしまうでしょうから、引いたときにしおりのアイコンをタッチして登録しておくことをおすすめします。

似たような機能は他の辞書アプリや電子辞書専用機にもありますが、DONGRIのしおり機能では、タグ(名札)を作ることで、記憶する「入れ物」に名前をつけて分類することができます。先ほど述べたrise fromのように、通学途中に見かけた語は、「通学時に見た単語」のようなタグをつけて登録しておくと、学校の英語の授業で調べた語と区別することができます。

複数の端末でいつでも、どこでもDONGRIを活用しよう

DONGRIは、学校で使うタブレット端末だけでなく、自分のスマートフォンや自宅のパソコンなど、3台までの端末にインストールして使うことができます。そのため、通学途中だけでなく、休日に遊びに出かけるときや自宅でテレビを見ていて出てきた英単語を調べるときも、スマホやパソコンにインストールしたDONGRIでしおり機能を活用することができます。

しおり登録した単語はすべての端末で同期されますので、授業中に登録した単語を自宅の端末で復習したり、スマホで登録した語を学校で使うタブレットで確認することもできます。はじめのうちは、授業以外で辞書を調べることは面倒だと感じるかもしれませんが、「英単語ウォッチング」に慣れると学校の勉強以外で出会った単語が増えていき、知らないうちに学校の勉強や受験勉強だけでは得られない単語力をつけることができるでしょう。

この記事の執筆者

関山健治(せきやま けんじ)先生写真

中部大学 准教授

関山健治先生

沖縄大学専任講師、准教授を経て、2014年から中部大学准教授。専門は英語辞書学・応用言語学。

著書に『辞書からはじめる英語学習』(2007年、小学館)、『英語のしくみ』(2009年、白水社)、『日本語から考える!英語の表現』(共著、2011年、白水社)、『英語辞書マイスターへの道』(2017年、ひつじ書房)などがある。

執筆・校閲者として『ウィズダム英和辞典(第3版)』(三省堂)、『プログレッシブ英和中辞典(第5版)』(小学館)、編集委員として『ベーシックジーニアス英和辞典(第2版)』などを担当。

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