【辞書コラム③】辞書の使い方

品詞を意識して辞書を引こう!

#初級

【辞書を使った効果的な勉強のポイント】品詞を見分けるポイントとは?メイン画像

辞書アプリDONGRIで、品詞を区別する練習をしてみましょう。品詞はDONGRIの「文法解説」で確認できます。品詞が何か考えてから調べると、辞書引きの時間を削減できます。

各辞書の「文法解説」について

皆さんの中には、英文法の参考書を購入した人もいると思いますが、多くの辞書では、付録として英文法の重要な内容を中心にまとめられていますので、必要に応じて参照してください。

たとえば、辞書アプリDONGRIでは「コンパスローズ英和辞典」の場合は、索引アイコンをタッチして「付録」の中に「文法解説」があります。「ベーシックジーニアス英和辞典」も同様に、「付録」の中に「文法のまとめ」があります。

▼エースクラウン英和辞典

「エースクラウン英和辞典」では、索引アイコンをタッチすると「基礎英文法」があります。
たとえば、エースクラウン英和辞典の「基礎英文法」で「基礎編」を選ぶと目次が出ます。この中から、「英語の品詞と英語の文」をタッチしてみましょう。

辞書アプリDONGRI「エースクラウン英和辞典」画像

品詞の区別は辞書によって細かな違いがありますが、エースクラウン英和辞典では10種類に分けています。この中でとくに重要なのは、名詞、動詞、形容詞、副詞の4種類です。

それぞれの品詞について詳しいことは次回以降に見ていきますので、ここでは名詞と形容詞の違いについて、実際の英文を見ながら考えてみましょう。

・名詞:人や物の名前を表す語
・動詞:人や物の動作や状態を表す語
・形容詞:名詞を修飾(詳しく説明)する語
・副詞:動詞や形容詞など、名詞以外を修飾する語

同じ単語でも品詞によって意味が異なる

次の下線部の語を辞書で調べ、それぞれの意味を考えてみましょう。

(1) You can open the *safe* with this key.
(2) Keep your money in a *safe* place.

辞書でsafeを引くと、[形](形容詞)の「安全な」という意味が初めの方に出ています。皆さんの中には、辞書の最初に出ている訳語を機械的にあてはめ、(1)の文を「この鍵で安全に開けることができます」、(2)を「安全な場所にお金をしまっておきなさい」のように考えた人もいるかもしれません。

(2)はこれで問題ありませんが、(1)は、実際には「この鍵で金庫を開けることができます」という意味の文です。

このように、辞書に真っ先に出ている単語をそのまま使ってしまうとおかしな意味になってしまうこともあります。辞書を引くときに大切なことは、調べたい単語の品詞は何かを考えてから引くということです。

「safe」=「安全」と訳さない場合がある!?

種明かしをすると、(1)のsafeは名詞です。「~を開ける」という意味の動詞であるopenとともに使い、「この鍵で金庫を開けることができます」という意味になります。

You can open the safe with this key.
(この鍵で金庫を開けることができます)

このように、名詞は、動詞の直後で「~を」にあたる意味で使う(目的語と言います)ことや、次のように、動詞の前で「~は」のような意味で(主語と言います)使います。

A safe is a strong metal box to keep valuable things.
(金庫は、貴重品を保管する頑丈な金属の箱です)

辞書アプリDONGRI「safe」画像

まとめ:品詞を考えてから辞書を引こう

このように、文章の中での単語の働きをもとに、品詞が何かを考えてから辞書を引くと、とくに基本的な単語では必要な品詞のところだけを見ればいいので、辞書を引く時間を大幅に節約することができます。

次回から、名詞、動詞、形容詞、副詞のそれぞれについて、辞書を引く際にどのような点に注意すればいいか、実際の英文をもとに考えてみます。第4回目以降の記事もお楽しみに!

この記事の執筆者

関山健治(せきやま けんじ)先生写真

中部大学 准教授

関山健治先生

沖縄大学専任講師、准教授を経て、2014年から中部大学准教授。専門は英語辞書学・応用言語学。

著書に『辞書からはじめる英語学習』(2007年、小学館)、『英語のしくみ』(2009年、白水社)、『日本語から考える!英語の表現』(共著、2011年、白水社)、『英語辞書マイスターへの道』(2017年、ひつじ書房)などがある。

執筆・校閲者として『ウィズダム英和辞典(第3版)』(三省堂)、『プログレッシブ英和中辞典(第5版)』(小学館)、編集委員として『ベーシックジーニアス英和辞典(第2版)』などを担当。

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