【辞書コラム⑥】辞書の使い方

動詞を引いてみよう① まずは変化形の記述に慣れよう!DONGRIの便利機能も紹介

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動詞を引いてみよう① まずは変化形の記述に慣れよう!DONGRIの便利機能も紹介

今回から、数回に分けて動詞の引き方について学びます。 1回目は、動詞の変化形について復習し、先日公開された最新バージョンのDONGRIを試しながら、より効率よく辞書を引く方法について学んでいきます。

規則変化の場合

英語の動詞には、三人称単数現在形、過去形、過去分詞形、現在分詞形(~ing形)の4種類の変化形があります。
たとえば、playの場合、三人称単数現在形:plays、過去形:played、過去分詞形:played、現在分詞形:playingのようになりますね。多くの動詞は、三人称単数現在形は~s、過去形と過去分詞形は~ed、現在分詞形は~ingのように規則的な変化をします。

辞書でplayを引いてみましょう。
どの辞書でも、変化形は、品詞表記のすぐ隣に、三人称単数現在形、過去形、過去分詞形、現在分詞形の順に出ています。ベーシックジーニアス英和辞典、エースクラウン英和辞典などでは、それぞれの変化形に「三単現」「過去」「過分」「現分」のように略称をつけ、変化形は省略しないで載せていますので、初心者にも分かりやすくなっています。



一方、ジーニアス英和辞典、ウィズダム英和辞典のような上級レベルの英和辞典では、(~s / -z /; ~ed/ -d /; ~ing)のように、略称はついていませんが、三人称単数現在形、過去形、過去分詞形、現在分詞形の順に出ています。※ playのように、過去形と過去分詞形が同じ場合は1回だけ表示しています。「~」は見出し語全体(ここではplay)を置き換えたものです。



規則変化をする動詞の中には、語末が変化する語もあります。たとえば、studyの過去形、過去分詞形では、語末のyをiedに変えてstudiedのようになります。辞書で引いて確認してみましょう。



ウィズダム英和辞典やジーニアス英和辞典では、次のように語末の部分のみを載せています。



「-」と「~」の区別に注目!

ここで注意したいのは、三人称単数現在形と過去形、過去分詞形では、-es、-iedのように省略している部分を「-」で表しているのに対し、現在分詞形では~ingのように「~」を使っているということです。

「~」は、規則変化形のところでもふれたように、見出し語全体を置き換えています。そのため、studyの現在分詞形はstudyingのようになります。

一方、「-」は、見出し語の前半の音節の部分(studyの場合は、stud)のみを置き換えています。そのため、studyの三人称単数現在形はstudies、過去形・過去分詞形はstudiedとなります。×studyies、 ×studyiedではないことに注意しましょう。

変化形が載っていない場合

規則変化をする動詞の場合、どのように変化するかは決まっていますので、すべての動詞に変化形が出ているわけではありません。
重要度の高い語(辞書によって多少違いはありますが、基本的にはAランク、Bランクの語)には規則変化形も出ていますが、それ以外の語では、綴りに注意が必要な語以外は規則変化形は省略されています。 動詞を引いて、変化形が出ていない場合は、基本的には三人称単数現在形は-s、過去形、過去分詞形は-ed、現在分詞形は-ingをつけると考えてよいでしょう。

不規則変化の場合

不規則変化をする動詞は、それぞれの動詞ごとに独自の変化をしますので、原形に加え、過去形と過去分詞形をセットで覚える必要があります。たとえば、goの場合、過去形はwent、過去分詞形はgoneのように、別々の形となります。go – went – goneのように、形、過去形、過去分詞形をまとめて声に出して覚えると忘れません。

そのほかには、come – came – comeのように、原形と過去分詞形が同じ動詞や、think – thought – thoughtのように、過去形と過去分詞形が同じもの、set – set – setのように原形、過去形、過去分詞形がすべて同じものもあります。

不規則変化形も、規則変化形と同じように辞書に出ています。不規則変化は単語ごとに違うので、重要度の低い語も含め、ほとんどの単語に変化形が出ています。

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「英語の辞書は原形で引く」というのは昔の話?

英和辞典だけでなく、国語辞典なども同じですが、辞書を引くときは「原形で引く」ことが基本です。 たとえば、教科書の英文の中にplayedという語が出てきた場合、紙の辞書で引くと、過去形、過去分詞形のplayedは出ていませんので、原形はplayであると考えてplayを引く必要があります。 wentのような不規則動詞は収録されていますが、「goの過去形」としか出ていませんので、goを引き直す必要があります。紙の辞書ではスペースの制約があるので、原形以外の語を見出し語に載せる余裕がありませんから、辞書を使う人に多少の知識が求められていたのです。

慣れてくれば、変化形から原形を推測して最初から原形で引くことができるようになりますが、英語を学び始めたばかりの中学生、高校生にとっては原形を予測することが難しく、辞書を引くのが苦痛になってしまうでしょう。私自身、フランス語やドイツ語のような専門外の言語の辞書を引くときは、今でも英語を学び始めたときのような苦しみを感じます。

DONGRIは、教科書に出ている変化形をそのまま入力しても、自動的に原形を探してくれます。これは、最新バージョンで強化された機能であり、とくに英語が苦手な高校生にとっては非常に便利です。

たとえば、DONGRIでplayedを引いてみましょう。



このように表示され、自動的にplayの内容が表示されます。

なお、不規則変化形のように、見出し語に収録されている語は、その単語が検索されます。
たとえば、wentを引くと、以下のように表示されます。




ここでは原形のgoは出ていませんが、本文の「goの過去形」のgoのところをクリックすると、goの項目にジャンプして表示されます。





このように、辞書の記述の中にある英単語をクリックすると、その単語を自動で引き直してくれるのも、電子辞書アプリならではでしょう。辞書に出ている用例の中で意味の分からない単語をクリックするだけでその語を自動で引いてくれるのは、慣れると紙の辞書には戻れなくなるほどです。

この記事の執筆者

関山健治(せきやま けんじ)先生写真

中部大学 准教授

関山健治先生

沖縄大学専任講師、准教授を経て、2014年から中部大学准教授。専門は英語辞書学・応用言語学。

著書に『辞書からはじめる英語学習』(2007年、小学館)、『英語のしくみ』(2009年、白水社)、『日本語から考える!英語の表現』(共著、2011年、白水社)、『英語辞書マイスターへの道』(2017年、ひつじ書房)などがある。

執筆・校閲者として『ウィズダム英和辞典(第3版)』(三省堂)、『プログレッシブ英和中辞典(第5版)』(小学館)、編集委員として『ベーシックジーニアス英和辞典(第2版)』などを担当。

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