音読コラム②

英語 音読アプリQulmeeで実現!段階的な音読練習と評価の方法とは?

安木真一先生の音読指導法コラム:英語 音読アプリQulmeeで実現!段階的な音読練習と評価の方法とは?

音読には多様な取り組み方があり、スモールステップで段階的に取り組むことで、より大きな効果を発揮することができます。また、練習の流れや評価の観点の手順を提示することで、生徒は見通しや目標をもって音読に取り組むことができます。今回は、音読アプリQulmeeの機能を活用した、段階的な音読練習と評価の工夫について、解説をします。

段階的な音読練習

 音読課題を出す際は、家庭学習でどのような音読に、どのような手順で取り組むのかを、生徒に予め提示することが重要です。今回は一例として、聞き流す段階から、一人でスラスラ読めるようになるまでの流れを以下に示しました。生徒の習熟段階に応じて内容を調整し、事前に練習内容を示してから課題を出題しましょう。

安木先生コラム2-1

 上表に示したように、音読練習は[モデル音声のありからなしへ][ポーズのありからなしへ]という方向に進んでいくことを、生徒に示しておくとよいでしょう。シャドーイングは、オーバーラッピング等の音読に十分取り組んでから行うと効果的です。また、先生自身も同様の手順で練習しておくと、音読に取り組む際に気をつけるポイントを具体的に伝えられると思います。

Qulmeeの特長

 Qulmeeでは、上記の音読の全てを練習することができます。音読メニューを選択するだけで、最適化された画面表示や音声再生が可能です。また、モデル音声の速さや、挿入するポーズの長さを自由に調整することもできるため、生徒がカスタマイズすることも可能です。

評価の方法

 下記は、生徒が提出した音読を評価する際のルーブリックの例です。音読練習の手順だけでなく、評価の枠組みを事前に示しておくことで、生徒は目標をもって音読練習に取り組むことができます。
ルーブリックは学校やクラスの状況に応じて、具体的な評価の視点・内容を検討してください。以下の5段階評価の場合、5と3のどちらにも当てはまらないものは4、3と1のどちらにも当てはまらないものは2と評価します。

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 下表は、音読を評価する際に使用するルーブリックの例です。音読練習の手順に加えて、評価の枠組みも事前に示すことによって、生徒は目標をもって音読に取り組むことができます。ルーブリックは学校やクラスの状況に応じて、具体的な評価の視点・内容を検討してください。例に示した5段階評価では、「5」「3」に当てはまらないものは「4」に、「3」「1」に当てはまらないものは「2」と評価します。

 今回は、Qulmeeで取り組む音読の内容や評価の方法について、全般的な解説をしました。次回は、シャドーイングの練習法について、解説をします。

この記事の執筆者

安木真一先生写真

京都外国語大学・短期大学 教授

安木真一先生

鳥取市出身。大阪、東京、鳥取の公立私立の中学校及び高等学校、岡山の高専勤務を経て、2016年より現職。京都外国語大学・短期大学で、英語科目と教職科目、大学院で英語教育学演習科目を担当。

 研究分野は英語教育実践学(音読を中心にした指導法の研究、スローラーナーへの指導法の研究、受験指導とコミュニケーション指導の両立に関する研究)。

■主な著作
『英語力がぐんぐん身につく!驚異の音読指導法 54』 明治図書 2010年
『\スピーキング力に差がつく!/英語アクティブ音読「超」指導法』 明治図書 2022年
『スローラーナーを取り残さない 英語のつまずき「超」指導法』 明治図書 2023年

音読アプリQulmeeでは、配信した課題やり取りはもちろん、モデル音声の再生や、AI発音チェックを活用した個人練習を行うことができます。

音読トレーナーQulmee
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